こんにちは、Dimpleです!
建築の学生や意匠系のお仕事をしてる人の中には建築の構造に苦手意識を持っている方が多いのではないでしょうか。
そもそもどんなふうに構造力学が設計に使われているのか想像できないよ
今回は構造力学が苦手な人にもおすすめできるヤマベの木構造という書籍をご紹介したいと思います!
ヤマベの木構造との出会い
私がヤマベの木構造と出会ったのは大学院性の時でした。
当時は1級建築士の受験要項として実務経験が必要だったのですが、
大学院でインターンシップに行くと実務経験を短縮できる(2020年からは実務経験なしで受験できるようになりました)ため、私もインターンシップに行くことに決めました。
インターンシップ先は山辺構造設計事務所。
そう!ヤマベの木構造の著者、山辺豊彦さんのいる事務所です!
インターシップの内容は、ノートとペンでもうすでに設計が終わった木造住宅の構造計算をする、というものでした。
梁伏図を見ながら梁の断面や耐力壁の配置を検討していくのですが、当時は構造設計なんてしたこともないし、何から検討したら良いかも全くわかりませんでした。
そんな時に事務所内のインターンシップ担当のスタッフから渡されたのがヤマベの木構造でした。
これさえあれば先輩いらず!?
インターン中はスタッフからは殆ど何も教わりませんでした(笑)
というのも、ヤマベの木構造を読み進めるだけで構造設計ができたからです。
ヤマベの木構造は構造初心者でもわかりやすいポイントがいくつもあります。
- とりあえず実践編を真似するだけで計算できる
- なぜその計算・検討が必要なのかは基本編でしっかり学べる
- イラストがたくさん使われていて、とにかくわかりやすい
本書は大きく4編に構成されています。
- 入門編 :ゼロからはじめる木構造
- 基本編 :押さえておきたい基礎知識
- 実践編 :今すぐ使える設計手法
- 資料編 :関連資料・データ一覧
インターン中は実践編に書いてある計算例に沿って、梁の断面や耐力壁の配置を検討しました。
本書の中でも木造住宅のモデルプランがあり、そのプランの検討方法が載っています。
また、柱や梁、耐力壁の検討だけでなく基礎の検討方法についてもしっかりと書かれていて、
- べた基礎
- 布基礎
- 独立基礎
- 杭基礎
といった、ほぼすべての基礎形状に対しての検討方法が載っていました。
その他にも柱梁接合部や水平後面の検討なども載っています
構造を専門としない人が読んでも役に立つ
構造設計の指南書としても超優秀なヤマベの木構造なんですが、
本書には基礎梁に設ける点検口の位置や耐力壁の小開口の設け方など
実務で問題になりそうでかつ、構造の専門家に聞いてみないと判断しづらいような内容が基本編に書かれています。
構造設計の新人やベテランさんは主に実践編や資料編を参考にしますが、
構造以外の分野の方でも基本編には実務に役立つ知識が詰まってます。
まとめ
合理的な構造設計というのは、先輩に教わったり、経験から身につくものですが大まかな設計手法というのはどの構造設計事務所でも変わりません。
これから建築の構造の分野へ進む人にとっては、非常に優れた教材となるでしょう。
また、構造を生業としない業種の方も
- なぜその位置に耐力壁が必要なのか
- なぜその位置に柱が要るのか(もしくは置いてはマズいのか)
- 床組みの仕様はどのようなイメージなのか
- 基礎梁せいはどうしてその寸法になったのか
といったことが基本編を読むとわかってくるかと思います。
難しい計算ができなくてもきっと役に立ちますよ!